舌側矯正をやめてしまった矯正歯科医師の話、ゴムメタルGEAW やストレートワイヤーテクニックを駆使する千葉の非抜歯矯正歯科医師
水口インプラント道場4日間コースは、通常ならあきらめざるを得ない症例や、歯が入るまで1年近くかかる症例を6か月間も治療期間を短縮したり、基本的に治療を断らないというスーパー歯科医師による研修なのだが、セミナーの後の修了式は、東京湾の屋形船で行われた。
この中で知り合ったある歯科医師は、元々は矯正専門医で しかも舌側矯正の日本のパイオニアのスーパードクターの所に押し掛けて勤務させてもらったという熱心な先生なのだが、彼が独立後に矯正をする際に患者に舌側矯正(リンガルアプライアンス)を勧めても患者が普通の外側(唇側、頬側)にブラケット(ボッチ)をつける治療を希望することがほとんどで、舌側矯正は全くといってよいほどやらなくなったそうである。
舌側矯正の最大の弱点は、上下の顎の正中がずれているのを治せないこと。
患者には、半ば冗談であなたは顎の骨を切らないと治らない と言うそうである。
さて、歯並び育成、噛み合わせ矯正、歯列改善治療の歴史の中で、画期的な出来事は、ストレートワイヤーテクニック、つまり、ブラケットの中(スロット)に3次元的な角度が組み込まれていて、理想的な歯並びの形に湾曲されたワイヤーを通せば歯が並んでしまうというものだ。
ただ、実際にはこの話にも裏があって、矯正歯科界で誰でもその名を知っている著名な歯医者が日本にストレートワイヤーテクニックを教えに来たときには、実際は彼らは、ファーストオーダーベンド、セカンドオーダーベンド、サードオーダーベンドというワイヤーベンディング(ワイヤーを曲げること)の基本をきっちりやっていたのである。
実際、一時期、ストレートワイヤーテクニックなら、ワイヤーを曲げる必要がないということで、アーチターレットという歯並びのアーチ(湾曲)を作る器具が入手するのが非常に困難になった時期があるが、ストレートワイヤーだけでは治すのに限界があることがわかり、その後 アーチターレットは販売が再開された。
こうしたことを知らないで、どんなケースでも舌側矯正で治せるとか、ストレートワイヤーテクニックは簡単に治せると考える若い歯科医師が出てこないことを祈りたい。