歯並び矯正治療、咬合育成が必要な患者さんで最近増えているのがアゴの大きさと歯の大きさのアンバランス、つまり、アゴが小さいか、歯が大きい、またはその両方がある方です。
これは、専門用語でディスクレパンシーと言います。
あまりにもアゴが小さすぎて歯が並ばない場合は、もし歯が内側に倒れ込んでいるなら床矯正装置で倒れている歯を起こすことによって治すこともできます。
また、口元が出ているなら小臼歯を抜いて治すこともよくあります。
しかし、歯の重なりが軽度だったり、あまり大がかりな装置を入れたくない方の場合はストリッピングとか、ディスキングと呼ばれる方法で対処することもしばしばあります。
これは、歯のサイズがとても大きい方に対して行うもので、歯と歯の間を専用の器具で削いでいく方法です。
歯の表面はエナメル質と呼ばれる神経の通っていない部分なので、全く痛みはありません。
また、エナメル質の範囲でごく少量(1ミリも削りません)削いでいきますし、表面はツルツルに研磨するのでむし歯になりやすくなることはないです。
歯と歯が術前は点状についていたのが、術後は面上に広い面積でくっつくようになります。
結果的に歯と歯の間のスキマ(ブラックトライアングル)が小さくなることもあります。
時々他の医院で以前に歯並び矯正治療をしたのだが、あと戻りしてしまった、しかし、またあのブラケットをつけるのはちょっと…..
、という方にこのストリッピング、ディスキングを行い、その後でアソアライナー(AA)をはめて歯を動かしていくことにより、装置も目立たず、発音・発語もほぼ普通にできるし、歯磨きも装置をはずしてできるので喜ばれることが多くあります。
写真の方は以前、他の医院で第1小臼歯4本を抜いてフルブラケット矯正(DBS)を行ったのですが、治療中 痛いのとブラケット(ブレイス)が頻繁にはずれるので、妥協的な形で終了し、その後 リテーナーも入れずにいたら、後戻りを起こしてしまった事例です。
この方にはストリッピング、ディスキングを行い、アソアライナーという取り外しできる装置で治します。
ただ、歯並びというのは、咬合・口腔周囲の筋肉が安定していてこそずっときれいな状態を保つことができます。
この方には、パタカラという口のまわりの筋肉(口輪筋)をきたえ(口元が引き締まります)、舌が正しい位置に来る装置を使うことにより、安定したかみ合わせを維持できるようにします。
パタカラは、以前 渋谷の東急ハンズの健康グッズ売り場で3か月連続で月間売上ベスト10に入った商品です。
この時は、顔やせ・小顔効果で売れたそうです。
口元が引き締まり、首も細くなればさらにうれしいですよね。