5歳の保育園児。舌癒着症で手術を勧められています。

Q. 保育園に通う5歳の娘です。園医から、舌が短い「舌癒着症」ではないかと言われました。舌をスムーズに動かせないためか、サ行が発音できず、「サザエさん」が「タダエさん」になってしまいます。舌下帯を切除する手術を歯科医から勧められていますが、全身麻酔の可能性もあり、しかも自費で行う治療とのこと。これはまだ認められていない処置なのでしょうか。また、5歳の子どもに行っても危険のない処置なのでしょうか。ただ、小学校への入学を再来年に控えて、読み書きなどに支障があるのではと気がかりも感じています。

A. 発育に明らかな影響があるようでしたら、就学前に手術を考えてもいいでしょう。

舌の裏側には舌小帯という筋があり、これが短いと舌の動きが制限されます。舌小帯短縮症、あるいは舌小帯強直症といわれ、舌の先端にまで小帯が伸びていると舌の前方や上方への動きが極度に制限されます(舌癒着症というと、この舌先に小帯が付着した状態ではないかと思われます)。

舌小帯の付着異常が非常に顕著な場合は、乳児期の哺乳や摂食にも問題が出ることもあり、その場合は歯科よりは耳鼻科で手術することが多いようです。1歳半を過ぎて言葉が出てきてからも発音に著しい支障があるようでしたら3歳以下で舌小帯を伸ばす(切除ともいいます)手術を行いますが、このような低年齢では全身麻酔下で行うのがほとんどです。サ行の発音は、就学時ぐらいまでに完成するため、それまでは様子を見てもいいと思いますが、5歳で明らかにサ行の発音がうまくできないようでしたら、そして、その原因が舌をスムーズに動かせないためでしたら、小帯の手術を考えてもいい時期だと思います。
舌小帯の手術については、前述したように、低年齢では全身麻酔下での手術になりますが、年長児や学童期になって治療(注射による局所麻酔や切除・伸長手術など)に協力してもらえるようでしたら、外来でも可能です。
お子さんの状況に合わせて、全身麻酔(入院になることも)か、局所麻酔で外来で行うかを歯科で相談してください。

舌小帯の手術は、小帯の付着異常が明らかならば保険も適用されます。ただ、手術の前後に舌の動きのトレーニング(筋機能療法ともいいます)を行う場合には、自費になります。また、全身麻酔で手術する場合には入院に関する費用が自費になることもあります。どこの部分が自費なのかを確認されるといいでしょう。舌は動きのあるものなので、舌下部の手術をお子さんの協力なしに行うことは困難です。手術そのものは比較的短時間で行えるものなので、麻酔や出血管理(縫合)などの処置を適切に行えれば危険のない処置です。

保育園ですと、まだ幼児言葉の残っている子どもたちもいるので、それほど気にならないでしょうが、小学校に入学すると言葉の不明瞭さを友だちに指摘されてしまうことも考えられます。そろそろ手術を検討していただくほうがいいでしょうが、緊急に行わなければならないというものでもありません。歯科医院や歯科医に慣れてから外来での手術も視野に入れて考えても遅くはありません。

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